| ごぶさたいたしました。マメでございます。今回ホームページをリニューアルいたしました。
アントニオも、今年で創業24年。来年は25周年(あたりまえですね)。私事ですが、マメとアントニオが結婚して今年で20年。二人三脚で歩んできた日々を、ヨーロッパ交遊録をおりまぜながら、つづってみようと思います。
21年前のある夏の日。マメが所属していたアマオケに、トレーナーとして教えに来てくれたのがアントニオでした。誠実で親切でほどよくユーモアのあるアントニオ。オケの女性群は、みんなアントニオに好感を持ちました。
「すてきなオジ様!」
1年程は、そんな感じで集団の中でヴァイオリンを教わり、練習の後はメンバーとお茶を飲みながら、たわいもないおしゃべりをしたり・・・。
そんなある日、団長さんの一言で事態は急変しました。
「そういえば、アントニオさん、お子さん元気?」
「僕、まだ独身ですよ。」
その瞬間、そこにいた全員が「へ・・・?!」と声を出しました。
(うそ!!あの落ち着き方は、絶対世帯持ちだと思ってた。)
(やだ!!40歳は過ぎてると思うけど・・・。いくつなんだヨ!)
小声でささやきあう。一人がオズオズと手を挙げた。
「あの〜、アントニオさんって、おいくつなんですか?」
「僕は、29歳です。」と、きっぱりアントニオ。
またしても、そこにいた全員が「へ・・・?!」と声を出した。
あまりの驚きに・・・イスから転げ落ちる人もいた。
マメは、その時28歳。1歳しか年が違わなかったのです。
(本人を見たことのある方は、なぜ老けて見えたかおわかりかと思います。)
まあ、そんなこんなで、途中ははしょりますが、結婚とあいなりました。

結婚当初私たちは、馬橋(千葉県松戸市)駅前の3DKのマンションに住んでいました。玄関を入ってすぐ左の小さな洋間に楽器を展示し、奥は私たちの住居スペース。
店舗とは言えませんが、お客様に来ていただける場所ができました。
馬橋は私たちの原点です。
会社の規模は小さくてもいい。来てくださるお客様に喜んでいただける店にしよう。そのために自身を磨いていこう。成長していこう。目指すは日本で一番信頼される店!!二人でよく深夜まで語り合ったものです(なにせ、当時は時間がたっぷりありましたから)。
ある日、アマオケの友人きよみが遊びに来ました。
きよみは、思うところあってイギリスに語学留学し、ちょこっと帰国している時でした。
「楽器は自分の目で見て、買い付けた方が絶対いいよ。ロンドンに一度おいで。ロンドンに来れば、アントニオは絶対開けるよ。」
このきよみの確信こもる予言のような一言にすっかりその気になり、二人で初めての楽器探しの旅を決意したのでした。
9月中旬から3週間かけて、ロンドン・パリ・ドイツを回る旅でした。
飛行機は当時一番安かったタイ航空。南回りで23時間もかかりました。若かったから行けたんですね。
ロンドンにはサザビーズやクリスティーズなど大きなオークションがあり、ストラドやガルネリなど、めったに見ることすらできないような名器が世界中から集まります。オークションの時期に行けば、プレビューで間近に本物を見ることもできます。
ロンドンでは、きよみの紹介で楽器商のアダムさんご夫婦と出会いました。アダムさんはアントニオと同じ歳。生き方も仕事に対するポリシーもとても近いものがあり、アダムさんご夫婦には本当に公私にわたり、さまざま教えていただきました。今でも心から尊敬し、大切に思っています。
5日程きよみのアパートにお世話になり、パリへ。
お金がなかったので、ナイトコーチと呼ばれる夜行バスで行くことにしました。一人片道6,000円くらいだったでしょうか。夜10時頃ロンドンを出発し、カーフェリーでドーバー海峡を渡り、明け方パリのはずれに到着します。
外は真っ暗。日本人は私達だけ。言葉はチンプンカンプン。すっかり心細くなってしまいました。地下鉄の始発電車が動き出すまでの小一時間、二人は街頭の下でガイドブックを広げ、今日はどこに泊まろうかと相談しました。パリではホテルを予約していなかったのです。
とにかくパリのど真ん中まで行き、日本語の通じるホテルにたどり着きました。パリで4泊、ひたすら歩き回りました。
小さな店で、とても状態の良いビネロンの弓を1本買いました。初めての海外での仕入れでした。
アントニオが楽器や弓を探す時には、特別の思い入れがあるようです。新作のものでない限り、その楽器や弓にはすでに歴史があるからです。新作も含めて精魂込めて作り上げた製作者がいて、それを手にした人がいる。楽器達は、その人達の人生を見ているわけです。ある時は共に悲しみ、またある時は共に喜び、楽器自身は物言わず、そこにいるのに、弾き手の心に共鳴していく。
縁あって手に入れたアントニオを通して、この楽器達が今度はどんな歴史を作っていくのだろう・・・。できればそれは喜びの人生であってもらいたい。そんな思いを込めて1本1本選ぶのです。
お客様の喜んでくださる笑顔を見たとき、アントニオは「この仕事を続けてきて、本当に良かった」と思うのだそうです。
二人で行った初めてのヨーロッパ。たくさんの人に助けていただき、たくさんの思い出を作りました。
駅の売店でミントの飴を買いました。道に迷った時、列車を乗り間違えた時、言葉が通じなくて途方に暮れた時、二人でそのミントの飴をなめながら道を選んできました。
まわり道の時もあったし、行き止まりのこともありましたが、ちゃんと最後は目的地にたどり着きました。
アントニオも今年50歳。これからの人生も迷う時、まわり道や行き止まりに突き当たっても原点を忘れず、今までアントニオを育ててくださったすべての方々への感謝を忘れず、さらに精進してまいります。
今後とも、弦楽器専門店アントニオをどうぞよろしくお願いいたします。
今回は、ホームページリニューアルということで、少々まじめな内容になってしまいましたね。次回は、マメのヨーロッパ交遊録「いきあたりばったりの旅、フィレンツェ・トスカーナ!」をお送りします。お楽しみに!
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